St Lukes Clinic
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愛を表現する五つの方法

-愛の表現の実際- 5.接触

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甲斐 睦興 M.D.

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Vol.1   心のエネルギーDR.KaiVol.1.html
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Vol.3   悲しい親子DR.KaiVol.3.html

ええ、ご隠居さん、熊さん、八ッさん、長屋の縁側で日向ぼっこをしております。ご隠居さん、いつもの説教が始まります。


「熊さん、八ッさん夫婦喧嘩の仲裁に入るは無粋の至極なりと言うことわかるかい?」

「無粋でなんでえ、ご隠居さん」

「粋でないと言うことじゃ。黙って待っていろ、じきに始まろう」


そうこうしておりますと、大声でやりあっているのが聞こえてまいります。


「お前さんたら、だらだらしちまってよう。酔いつぶれて寝ちまってよう。稼ぎも減っちまった。ごうしてくれるのかえ。お前さん、起きてくれよう」

「うるせえな、眠れねーじゃねーか、このあま、誰様のお陰で食っていかれるんだ!ふた月まえに金、渡してやったじゃねーか。ええ、寝かせろ!」

「もう、米びつの底が見えるんだよ。あの子、食べ盛りなんだよう。」

「あのごくつぶし!性根をたたき直してやる!」

「お前さん、本気かい?じゃあ、出てっておくれ!そんな亭主見たかあないよ!」

「何お!下手にでてりゃあ、いい気になりやがって!てめーをつかみ出してやる!」


八、がなる。

「オレの兄貴分にいいがかりつけやがって。ただじゃ済ませねえぞ」


ご隠居さん、二人をなだめます。

「まあ、八と熊、あと一寸の辛抱じゃ」


段々、騒ぎが静まりまして、二人の睦言が聞こえ始めます。

「あら、お前さん、わたしをしめつけちゃってさ。どきどきするじゃない。久しぶり、お前さんのにおい、嬉しい!」

「てめー、かわいいなあ、ふくふく、なんでぇ、やわらけーな、おれも気持ちいいぜ。」

「もっと、もっと、抱きしめてぇ」

「おめー、いいからだしてえな」


二人の話、だんだん聞き取りにくくなります。そのうち平和な物音が聞こえてまいります。ご隠居さん、やおら口をひらきます。


「熊、八、夫婦喧嘩、犬も食わねえ、てねぇ。あれさえうまくいきゃ、よろず良してぇことだな」


この作り話、落語を元にしたか、中学のとき、水泳部の監督さんの猥談だったか覚えていない。現代のこのご時世には通用しにくい。

30年ほど前のアメリカで、夫が妻を強姦したということで、有罪となった。いま、夫婦喧嘩があると、隣の人が911に急報する。あっと言う間にパトカー3台停まっている。女性に少しでもあざや傷があれば、男性は手錠をかけられ、拘置所にぶち込まれる。女性か、母親が保釈金を払ってくれれば、出てこられるが、あとで裁判所に出頭し、罰金、6ヶ月のアンガーマネージメントクラスや、禁酒トレーニングに出席するように言い渡される。DV、ドメスティックバイオレンスは凄い犯罪である。近所にも悪い噂が立つ。


もっとも、なにをしても損することはない、と言う人達には、チャップマン先生のカウンセリングは通用しそうも無い。ともかく、男のエゴを女性は憎む。酒臭い息を吹きかけられたり、女の香水の匂いがしたり、お金を貰う時にしか来ないような男に、触られるのも汚らわしいと、思うだろう。女性は男と違い、優しくしてもらいたい。

以下、そのような状況を想像してみよう。

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「手を重ねるだけでいいかな、僕はこんなに年寄りになって萎れてしまった。」

「勿論よ。若い時だってそうしてたじゃない。夕日を見ながら、あのベンチに座っていたわ。楽しかった」

「わくわくしてたけど、なにか落ち着いた気分だった」

「貴方の優しい手、暖かかったわ。」

「君のすべすべした手、思い出すなあ。君とこうしていられるなんて、夢みたいだ」

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「この昼休み、この公園で肩を寄せ合って、お弁当食べれるなんて良かった」

「今日も貴方に会える時間があって嬉しいわ。明日も都合つく?」

「うん。仕事早くやっつけるか。携帯で連絡する」

「待ってるわ」

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「あなたの腰に手をまわしても良いかな?」

「ちょっと、恥ずかしい。。。でもいい。嬉しい。」

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「手を握ってあるくと、俄然早い。もう着いた。」

「そうね。ねえ、もっと先に行ってみましょうよ。」

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「君の髪の毛ふわふわだ。もっと触りたい。」

「うふふ」

「なにか、おかしい?」

「。。。。とっても気持ちがいいの。もっと触ってみて。」

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「君の背中さすりたい」

「どうして?」

「どこでも撫でたい」

「えっ、変な人。撫でてみて。」「あっ、気持ちいーい。撫でかた、お上手」

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「君、綺麗だ。ほっぺにキスしたい」

「そんな、いちいち質問しないでよ」

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「貴方のハグ(抱擁)素敵。でも息できなくなっちゃった」

「ごめん。ぼく、幸せだ。」

「私も」

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「この間のダンスパーティーどうだった?」

「私、あなたをちょっとリードしてあげた。」

「僕は良かったけど、あなたはどうだったかな?」

「良かった。あなた、なかなか見込みがあるわ。楽しかったわ」

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「この間の映画館、みんな手をつないでたわね」

「本当だ、誰も彼も」

「映画館ってそうゆうとこなの」

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「ほら、この写真ご覧なさい。わたしの兄、彼女の肩にそっと手をかけているでしょ」

「うん。なるほど」

「男性は、女性にそれ位気を使わなくちゃ。この写真のあなた、遠くに一人ぽっちよ」

「へー、気がつかなかった」

「他にも証拠写真があるわよ。男性として少し洗練して下さい」

「男女、三歳にして同席すべからず、妻は夫の三尺後ろを歩く、男子、厨房に入るべからず、なんて聞いたことある?」

「無いわよ。そんなの。おじいちゃん、おばあちゃんはそうしていたかしら?夫唱婦随、妻は夫に従いつつ、夫は妻を慕いつつ、なんて戦前は唱っていたって、おばあちゃんが話してくれたことがあった。」

「オレは時代遅れだね」

「そうゆうふうに、見えるかなあって、思いますけど」

「名誉挽回の為、言おう。戦前の公序良俗、良妻賢母、なんていう道徳はいいところもあったんじゃないかな。」

「つまり、、自由恋愛とか、みんなの前でキスをするなんて、あまり良くないとか。。あなたにとっておきの話をしましょう。うちのおばあちゃんの青春」

「へえー、何年前?」

「50年前、おばあちゃん、好意を寄せていた男性と一緒に、夕方、東京駅前の雑踏を一緒に歩いていたんですって。そしたら、右肩、みぎ首に男性の手がまわって、あっという間に、左のおっぱい掴まれたんですって。」

「へえー」

「おばあちゃん、とっても嬉しかったんですって。駅の構内では。男性は腕をはずしたし。。電車の中ではきまり悪そうな顔だったんですって。おばあちゃん、自分の駅では降りないで、男性が汽車に乗り換えるところまで送ってあげたんですって。」

「へえー」

「先週、リレーションシップの時、どこまで触られてもいいか、牧師先生に伺いました。

キスOK、おっぱいもOKですって。」

「へえー。その牧師さん、ちょっと行き過ぎだぁ」

「かも。アメリカ人の牧師さんだからかしら?」

「人種の違い、風俗習慣の違い、なんていうよりも、グローバルな現象じゃないかな。中国も資本主義国のみだれた男女関係を真似してはいけないって、言っていたけど、もうアメリカナイズされている。僕は保守的だから、そして、控えめな日本的愛の表現の方がいいかな。」

「じゃ、個人個人の好みっていうわけ?」

「そうだ。君がさっき言っていた、肩に手をまわすぐらい、手を握るくらいは、自然だよね。」

「そのくらいにして他方がいいのかしら?」

「それは、君次第。君の好みの人と付き合いたまえ。」

「意地悪!」

「ごめん。ちょっと時間をくれないか。日本人の伝統的、特有な愛の表現方法について考えてみたい。チャップマン先生の言うこと全部賛成。でもそれ以外のところで愛が呼吸しているかも」

「わたし、チャップマン先生、全部教えて下さった。もう、研究のすること、残っていないわよ。」

「そう?僕に時間をくれ。」

「オーケー」


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