St Lukes Clinic
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カラスに養われた話し


 烏が彼に、朝、パンと肉を、また夕べにも、パンと肉を運んで来た。

                            列王記上17:2‐6


 東京で学生をしていた頃、私は狭い4畳半のアパートに住んでいました。

ところが、そこに居候が転がり込んで来たのです。なんとか金を都合して食べておりましたが、私は牧師家庭で仕送りはありません。たちまち、最後にお昼を食べたらもう食料を買うお金がなくなってしまいました。


 すると、居候が "ちょっと、考える所がある。2時間ほど出かける。" といってどこかに行き、 数時間後にいままで見た事がないような高級食材を持てるだけもって帰ってきました。金色の蟹缶なんて生まれて初めてたべるようなものばかりでした。なんとこの居候、パチプロまがいの凄腕でした。その後も喰うに困るとパチンコで食料をしばしば調達しておりました。


 要領がよいのか、この居候は教会にも行き、牧師先生や事務の方々に食料を"お世話になります。"と配って廻っており、やがて小林兄弟はパチンコで喰ってるらしいよと、ささやかれた時はすでに食べてしまった後で、誰も何も注意が出来ないようになっておりました。


 狭い4畳半の隣りの6畳部屋が空いて、居候はそちらに移ると、夕食はもっぱら広い6畳の部屋で食べるようになりました。なにしろ家具な何も無くボストンバッグしかないので、部屋がとにかく、ひろびろしておりました。テーブルも無いので段ボール箱をひっくり返して卓袱台にして、20cm ぐらいの小さいテレビもあり、夜11時頃から大相撲ダイジェストという番組を見てご飯を食べておりました。

"おれ、貴乃花(先代)のファンなんだ。貴乃花頑張れ!"と居候、しきりに貴乃花の応援をしておりましたが、そのうち、なんともう一人居候が私の部屋に転がり込んだのです。

大男で、凶悪そうな面構えのくせに、ちょっとつっつくとすぐ泣く奴で、その落差が面白い子でした。でも、すぐ泣くなんて外見じゃ誰も分かりませんから、用心棒として連れて歩くのには便利です。


 彼も大相撲ダイジェストを見ながら夕食を食べるようになりました。

"ぼく、貴乃花のファンなんです。貴乃花頑張れ。"と大男がいうと、

先住の居候、"なんだと、お前なんか、おれの貴乃花、勝手に応援するんじゃない!” 


むっとして睨みあう2人、夜は更けていくのでありました。


 見よ。兄弟たちが一つになって共に住むことは、なんというしあわせ、なんという楽しさであろう。 詩篇133


2人ともクリスチャンになり、現在でも熱心に教会で奉仕しております。)


内科医 小林 恵一

聖ルカクリニック

1441 Kapiolani Blvd .,Suite #2000 Honolulu, Hi 96814

Tel 808-945-3719  Fax 808-945-3629

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